- よくわかる講座
渦流探傷試験がよくわかる講座
- 非破壊検査
電磁誘導を利用した試験方法を一般的に電磁誘導試験方法(Electro-magnetic Testing Method)と言いますが、きず検出を目的にした場合には、渦流探傷試験法(Eddy Current Testing Method、略称ET)と呼ばれています。
渦流探傷試験
渦流探傷法は高速の試験が可能であることや電気信号処理のみで判定などが可能であるため製造ラインでの自動探傷試験、検査に広く用いられています。
原理
金属材料の表面に交流磁場を発生させるコイルを置いた場合、金属材料表面には渦電流(Eddy Current)が流れることは良く知られています。この渦電流は材料の電磁気的な性質(透磁率、抵抗率)や表面の状況(きずの有無)によって変化します。渦流探傷試験法は、コイルのインピーダンスを測定することによって、渦電流の状況を知り、きずの有無や材質などを判定しようとする方法です。
探傷装置
渦流探傷を行うための市販の渦流探傷装置は、コイルに交流電流を供給する発振器とコイルのインピーダンスを測定するためのブリッジ、交流増幅器、位相検波器、位相推移器などで構成されています。最近は各種の条件設定などがPCで可能な装置が市販されています。
試験用コイル
試験用コイルにはパイプや棒の表面検査に多用されている貫通コイル、パイプの内表面の検査に用いる内挿コイル、種々の試験に使用可能なプローブコイルなどがあります。
適用例
現在、鋼管、銅管、アルミ管などのオンライン検査に広く用いられています。また、化学プラント、発電設備の熱交換器の定期検査には欠かせぬ手法となっています。また、航空機のエンジン検査などにも多用されています。
渦電流探傷試験製品