放射線透過試験の試験方法
放射線透過試験とは、放射線(X線やγ線など)を照射することにより、試験体内部のきずの有無を確認する手法です。試験体の材質や密度によって放射線の透過率が異なる特性を応用して、試験体の厚みや異材判別などの用途にも適用可能です。
試験対象
- 金属・非金属
使用する製品
- X線CT装置
放射線透過試験の特徴
feature
検査結果が出るまで、時間を要する
feature
検査対象の素材や形状を選ばない
feature
X線CTを利用すれば、異材判別や寸法測定などにも適用可能
feature
X線を利用するため、免許/届出や安全対策が必要
放射線透過試験の種類
放射線を用いた試験に関して、「透過X線」と「X線CT」があります。
透過X線
一方向からX線を照射して、二次元の撮像を実施します。撮像結果は、フィルムなどに印刷して観察します。
X線CT
回転しながらX線を照射して、ソフトウェアで再構成の上、三次元の撮像を実施する。専用のソフトウェアを使用して、撮像結果を観察します。
探傷フロー
放射線透過試験は、一般的に以下の手順で試験を実施します。
X線の照射
X線源からX線を照射し、対象物を挟んで正対位置に設けられたX線検出器で捉えられます。試験体またはX線装置自体が回転して、多数の角度からX線投影画像を取得します。(これにより、対象物の異なる断面のデータが収集)
測定
X線が物体を通過した後の放射線の強度を測定します。(物体の中の異なる材料や密度によって、X線の吸収または散乱が異なります)
再構築
収集された多数のX線投影画像を基に、特定のアルゴリズムを使用して3Dボリュームデータを再構築します。
解析
得られた3Dデータは、特定のソフトウェアを使用して解析が行われます。部品の内部欠陥、寸法、形状、組成などの情報を得ることができます。
製品ラインナップ
- X線検査装置
高出力X線CTシステム
お客様のご要望をヒアリングの上、最適な試験ができるX線CT装置をご提案いたします。
特徴
- 最大450kV/15mAの高出力X線管を搭載
- ファンビームCTにより低ノイズCT像を生成可能
- コーンビームCTオプションにより高速CT撮影を実現
- 16bit ラインセンサーにより樹脂と金属などの複合製品でもノイズレスの撮影が可能
用途
- 内部欠陥の検査
- 肉厚解析
- 設計値と実測値比較
製品仕様
欠陥解析
CTはXYZの座標情報をもっているため、欠陥は体積でも表示できます。また、その大きさをカラーマップで表示し、ワーク内の欠陥の分布が直感的に視認できます。
座標計測
円錐や円筒状のワークについて、任意の空間中心同士の軸のズレを自動で計算することができます。その他、距離・角度・真円度・同軸度・直径・平行度・平面度など、各種計測が可能です。
なお、測定のベースはマテリアルの表面精度であり、以下の2つが精度を向上させるポイントになります。
十分な透過力(450kV以上)
画像に歪みがおきないLDAセンサー(X線受光部)※ラインディテクター
X線CT装置の受託検査サービスのご紹介
X線CT装置を導入せず、最適な設備をスポット利用したいニーズにお応えするため、「X線CTスキャンの受託検査サービス」を展開しております。